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水Navi---驚異のイオン水健康法 第一章 水と健康

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日本の水は飲料水としては世界一おいしいといわれる。たしかに世界的にみると四方を海に囲まれた、山あり平野ありの自然環境に恵まれているためか、世界のどの国の水よりもおいしい。そんなわけで、「おらが国さの水が一番」などという“お国自慢”もとびだすのであろう。私の知人に北海道の羊蹄山ろくに別荘地を持っているのがいるが、ある時、彼はこんな自慢話をしてくれた。
「なんといっても羊蹄山ろくの湧水が世界で一番うまいね。とにかく最高のミネラル・ウォーターなんだ。そのままビン詰めにして空輸し、東京のバーで水割り用の水として客に出したらすごい繁盛をしているというんだからねえ。富士の湧水なんか顔負けだよ」
もちろん、この場合の“水”は、空輸ということもあって、きちんと有料で取引されたのであろうが、世界広しといえども、こうした特殊なケースを除けば、日本ほどタダでうまい水の飲める国はないといってよい。
外国、とくにヨーロッパなどを旅行した人ならだれでも知っているだろうが、無効では“水”ビン詰めになっており、一本いくらで売られているのである。外国旅行から帰った人たちが異口同音に「いやあ、日本の水のうまさ、ありがたさがわかったよ」というのも、無理のない話しなのだ。
こうした理由も手伝ってか、日本人ほど水をよく飲む国民はいないといわれている。「水を一日一升飲めば無病息災」と昔から言い伝えられているのも、うまい水を飲むことによって便秘を防ぎ、老廃物を排除することができるからである。一升も飲めるものかどうかはわからないが、医学的に見ると私たちの身体には一日およそ2.5リットル(約一升四合)の水分が必要とされているのだから、意識的に水を飲まなくとも、実際にはその大半を食べ物、特に生野菜や果物などから摂取していることになる。
ただ、ここで注意したいのは、日本人ほどよく水を飲む国民はいないのと同じように、日本人くらい水の大切さ、水の働きについて無関心な国民はいない、という事実である。私たちの生命を維持するのに水がどれほど大切か、またその水に含まれている種々の成分が私たちの体内でどんな働きをしているか、について、私たちはもっともっと関心をもっていいのではないだろうか。
水は健康にいいから、とばかりに、むやみやたらに水を飲んでもいいわけがない。医学的に「習慣収拾性」といって、水分が体内に吸収されるには一定の時間がかかるのが常識であり、それどころか、逆に体内の臓器にいたずらな消耗をまねいて、有害になることさえある。水はたしかに健康によいが、あくまでもそれは、水の質と飲み方、それに程度問題だということになろう。

どんな水がよいのか?

では、どんな水がよいのか、水の質の中でも健康によい質のものとはどういう水なのか、について若干ふれてみることにしよう。
この水がよい水だ、と決め付けることは、なかなかむずかしい。冒頭にあげた羊蹄山ろくの湧水の例のように昔から“よい水”というのは各地方に散在している。たとえば甲州笹子峠湧き水とか、京都堀川の水などがそれだ。また灘の酒のように、よい水を原料としてつくった“うまい酒”もある。
ところが、公害汚染の今日では、いたるところの河川や井戸水が汚染されており、よい水はきわめて少なくなってきている。うっかり生水でも飲もうものなら、たちどころに下痢をしかねない。「日本の水は世界一うまい」というのも、すでに半ば神話化しているといっても言いすぎではないのだ。
では、私たちは、どうやってよい水を探すか。いやここでは、探す努力をするまえに、汚染された水道水を工夫して、なるべく天然の水に近いものにして飲むことをおすすめしておこう。それが、私たちにとっての最善の策であるからだ。
そこで、なるべく天然の水に近いものにするにはどんな方法があるか、思いつくままに列挙してみることにしよう。
  1. 細菌などを取り除く
    水道水には水道法によって塩素ガス(俗称カルキ)が加えられているので、まずい味がするうえ、多量に飲むと身体を悪くする。これを防ぐ意味で、水道水をくみおいて一昼夜放置しておくか、煮沸して、湯冷ましにしてから飲むようにする。

  2. 界面活性剤を取り除く
    界面活性剤というのは、合成洗剤のこと。例の泡の立つ洗剤特有のものだが、これが飲用水に混入しているケースが非常に多い。ところが、いったん水の中に界面活性剤が入るとなかなか除去することがむずかしい。活性炭を用いて除去する方法もあるが、数週間もたつと全く役に立たなくなる。イオン交換樹脂を用いても同様である。
  3. 硬水を軟水に変える。
    高度の高い水はまずいのが常識。炭酸カルシウムを含む硬水なら、沸かせば軟水となり、飲用にも洗濯にもOKだが、硫酸カルシウムを含む強い硬水は、たとえ煮沸しても軟水とはならない。こんな場合はイオン交換樹脂装置を用いる。ただし、界面活性剤が含まれている水だとじきに効率が落ちるので、常にイオン交換樹脂を取り替えなければならない。

以上上げたいくつかの方法は、費用的にも時間的にも一長一短で、どうしてもキメ手とはなりにくい。そこで私は、長年使用してきた私自身の体験から、ここで最大のキメ手となりうる方法をお教えしておきたい。それは「電解イオン水《還元水》」である。

電解イオン水《還元水》の原理

「電解イオン水《還元水》」といっても、なじみのない人には何のことやらおわかりになるまい。これは、市販の電解イオン製造機を使って水を電気分解し、陰極に集まったアルカリ性の溶液だけを飲むという、きわめて簡単な方法である。使用する水は天然の水、すなわち泉や井戸水が理想的だが、現実にはなかなか手に入れにくいので、普通の水道水でもよい。ただし、水道水にはカルキが含まれているうえ、精製過程において濾過や吸着などがおこなわれているためカルシウムが少なくなっているので、あらかじめ塩化カルシウムか乳酸カルシウム等を適量加えてから電気分解するようにする。
このようにして作られたイオン水は、吸収がよく、血清中のカルシウムイオンの増強にただちに役立つうえ、酸素やいろいろなガスが溶け込んでいて、身体にすぐれた効能を発揮する。また電気伝導率も非常に高まっており、いわば“活きた水”となっている。これに反し、医薬用として使われている炭酸カルシウムや乳酸カルシウムなどは吸収が非常に悪く、そのうえ大量に使用する必要がある場合などは胸や胃につかえて飲みにくいので、その効能には天地ほどの差があることを知らなければならない。
つまり、電気分解によって得られたアルカリ溶液は、ふつう医薬用として使われるカルシウムとは、同じカルシウムでもその性質が全く異なっているわけだ。
では、陽極に集まった酸性溶液はどうするのか、というと、特殊な場合を除いては、一般に外用として用いられる。たとえば、ヤケド、その他、ヒフや粘膜の消炎、鎮痛、殺菌などにすばらしい効能があることが多くの臨床例からも明らかである。これについては、実際例をあげて後で述べることにしよう。
いずれにせよ私は、毎日を健康で明るく暮らすためにも、酸性体質の人や虚弱な人はもちろんのこと、健康だとうぬぼれている人も、電解イオン水《還元水》を飲んで、人間本来の姿である弱アルカリ性の体質を保持することをおすすめしたい。こうすれば体調もおのずとよくなり、自然治癒力も強まり、病気の予防や治療に役立つこと間違いないからである。

百の理論より一つの臨床例

私の意見に反対する人は「電解イオン水《還元水》など何の役にも立たない。電圧の低い電流をたかだが三十分ぐらい通電したって活性カルシウムイオン水などできるわけがない」といって取り合わないが、けっしてそんなことはない。理論的な部分の裏づけについては後でくわしく述べるが、要は“百の理論より一つの臨床例”であろう。過去二十年間にわたる私の体験からも、この「電解イオン水《還元水》」がきわめて有効であることは火を見るよりも明らかなのである。
元来、私は自然のままが好きである。医師としての立場からも、むやみとクスリは使わず、その人の自然治癒力を重視している。医術は自然治癒力を手助けして治療につとめるべきであり、疾病の予防も治療も、それすべて本人自身の自然治癒力にかかっている。医師は、その自然治癒力を最高度に発揮させるための技術者にすぎないのだ。
その一転が一般の人々にはどうも誤解されているようで、はなはだ困ったことたど思う。医師がなんでも“病気を治す”と思ったら大間違い。治すのは本人の自然治癒力なのだということを、ここでもう一度声を大にして強調しておきたい。
病気といえば医者だ、薬だ、それに注射だという前に、食養生や体質の改善、病気の予防を心がけるほうがどれほど大切なことか。世界にも類のない“薬害大国ニッポン”の現実を目の前にして、私は暗澹とした気持ちにならざるを得ない。いまからでも遅くはない。とにかく、できるだけ薬を排除し、自然のままに生きられるよいう強い体質に作り変える努力をかさねることである。

持病の坐骨神経痛が快癒!

私が電解イオン水《還元水》を知るようになったのは、ほんの偶然からのことである。すさまじいばかりの環境破壊が横行し、大切な自然食が失われて“一億総半健康”といってもいいくらいの嘆かわしい現状のとき、友人から電解イオン水《還元水》の話を聞き及んだ。しかしながら私は元来、医師であり薬のようなものを作る器械など、どうしても信用したくない。
「なんだ。薬の話か。そえもカルシウムじゃないか。たしかに強壮剤ではあろうが、とりわけどうということもないじゃないか。それに、そんな高い器械を買っても、すぐ壊れたら何にもならんぞ」
こんなことをいって、はじめのうちは正直取り合わなかったものである。ところが、その友人があまりにも熱心にその“効能”について説きすすめるものだから、私はこれも何かの縁だと思い、ためしに自分自身に使ってみることにした。今から思えば、これが幸いしたというべきか、ともかく人生のわかれ道というのは不思議なものだとつくづく感じる。
実験を始めて二~三週間たったある日、雨だというのに持病の軽い坐骨神経痛に何らの痛みも変化も起こってこない。それまでは、明日は雨というと、きまって左大腿部の裏側に重苦しい鈍痛が走ってきて「ははあ、またきたな」と、知らず知らずのうちに雨を予知することができたものだったのに・・・。
家族のものは、そえまでは新聞やテレビよりも、お天気の“予報”に関する限りは私を信用していたのだが、いつの間にか、それもはずれてばかりいて“名予報官”の名も返上しなければならなくなる始末。「これはおかしい。きっと何かあるにちがいない!」---こうして私は、電解イオン水《還元水》について、深い関心を抱くようになったのである。
その後、数ヶ月というものは毎日、食間の空腹時にこのイオン水を飲むことにして、一日なんと一升以上も飲み続けた結果、じつに胃腸の具合が良くなったのには驚かされた。快眠、快食、快便はもちろんのこと、強心利尿作用のせいか疲労感も少なく、持病だった軽いジンマシンもまったく跡を絶つありさま。
私にしきりに“電解イオン水《還元水》”の効能を説き、すすめた友人も、長いあいだ湿疹とジンマシンの持病に悩まされた患者で、自分が治った喜びのあまり、手当たりしだいに友人知己の間に宣伝していたのである。
「他人には想像もつかないほどのひどいアレルギー体質の私は、いってみれば重症でした。親類の皮膚科専門医はもちろんのこと、他の専門医の門を何軒かたたいて治療を受けてみたのですが、まったく効きません。がんこなまでに体に滲みこんだアレルギー体質はどうにもならず、かゆみと不眠と激務でもうヘトヘトになってしまいました。こんな苦しみを味わうくらいなら、いっそ死んでしまったほうがいい。こう思ったことも何度もありました。それが、この水のおかげでこれこの通り、元気な体になったのです」
誇らしげにこう語りながら、その友人は裸のスキー写真を見せてくれた。業病ちとりつかれた男が、不思議な水(じつは科学的には十分解明できる立派なものだが)のおかげで明るい人生を歩むことができるようになったのだから、心底うれしかったのであろう。医師の立場からみても、その心境はわかりすぎるくらいによくわかる。

本腰で研究に取り組みはじめる

それからというもの、私も本腰でイオン水の研究に取り組むようになった。医学の分野でものをいうのは、すべてデータと研究である。これがすべてであり、これしかないといっても過言ではないのだ。地道な臨床例を積み重ね、それをもとにして研究を広げていく・・・・。こうして私は、医師仲間の友人にもすすめたり、以前から研究している先輩諸先生たちにも呼びかけて、昭和三十五年、第一回の研究会を開くまでにこぎつけたのであった。
いまでも思い出すが、東大構内にある学士会館分館で開催したときの喜びは、たとえようもないくらいである。その時の司会は、この私である。それから今日にいたるまで毎年一回、多数の研究仲間の臨床知見霊などの発表にささえられて、この会は年々盛況をみせ、今や医学界の“常識”を大きく塗り替えようとしている。
このような長い研究暦をもつ電解イオン水《還元水》が著しい効能をあらわすのは、とにもかくにも体質を改善するからだが、医学界では、ただ効くからといっても、大手を振っては歩けない“常識”が横行している。不思議な世界といわなければならないが、ヒポクラテスの昔から現代医学にいたるまで何千件、何万件という動物実験による客観性がないと認められないのがこの世界なのだ。
電解イオン水《還元水》が効くからといって、医師の立場にある私のようなものが、“宣伝”すると、医学界ではもう反撃をくう。「科学的に立証できないではないか」とか「分析化学上の計算ではどうなるのか」などと理屈をこね、あげくの果てにはあいつは医師の風上にもおけぬ奴だ。器械メーカーから金でももらっているのではないかなどとののしるありさま。なんともはや情けない話だが、私は百の机上論よりも一つの臨床治験例を大切にしたいと思う。
もちろん、理論を軽視しているわけではない。医学を進歩させてきたのは、科学的な裏づけによる理論武装であることはいうまでもないが、現実には“薬公害”で日々苦しんでいる人が増え続けているのであり、一方においては電解イオン水《還元水》のようなすぐれた効能をもつものがあるとしたら、理屈をいうまえに使用してみるのも、けっしてムダではないのではあるまいか。
理論づけは学者の方々がやればよろしい。長年下積みに耐えてひとり地道な研究をつづけてきたガンの“丸山ワクチン”も、最近にわかに脚光を浴び、ようやく我が世の春を迎えようとしている。私利私欲ではなく、本当に苦しんでいるひとを助けたという医師の両親から出発したものであるならば、静かに成果を見守ってほしいと心からねがう。
残念ながら電解イオン水《還元水》の陰極にあつまるアルカリ性液の薬理上の証明は十分とはいえない。けれども酸性液のほうは客観的に証明できる。ヤケドなどの見事な臨床治験例は私の知る範囲だけでも、鎮痛、消炎、防腐、治療日数の短縮、瘢痕を生じないなど、じつに驚異的な効能があった。これれの臨床例については後でくわしくふれることにするが、いずれにせよ、電解イオン水《還元水》のおかげで本来の健康体をとりもどし、毎日を明るく送られている人々が多くなっている事実を、ここで改めて認識してほしいものである。


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